「嫌われる勇気」を読んで
はじめに
人間関係で苦労したことは正直あまり無いのですが、心に闇を抱えているのでこの記事を書きます。
前回、アドラー心理学に入門してこんな記事を書きました。
アドラー心理学で重要なのは「目的論」「劣等感」「共同体感覚」とされています。
今回は「嫌われる勇気」という本を読んでアドラー心理学を深めていこうと思います。
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どんな本か
「嫌われる勇気」とはアドラー心理学で有名な岸見一郎氏・古賀史健氏による著書。登場人物はアドラー心理学を極めた哲学者「哲人」とアドラー心理学と対極の人生を歩んできた「青年」の二名です。「哲人」は「青年」の悩みをアドラー心理学を通じて諭しながら、アドラー心理学とはどのようなものかを学ぶことができます。
特に「人からどのように思われたいか」「嫌われているのではないか」と人間関係絡みの悩みを吐露する青年に自己投影・共感できる読者向けです。
劣等感
人は誰でも劣等感を持っています。劣等感を感じるというのは、「他人と比較して」自分の能力や容姿、生い立ちに対して激しく抱くコンプレックス又は感情です。ここで重要なのは「他人と比較している」という点です。劣等感として抱く悩みは客観的事実ではなく、主観的解釈であり、他者が存在する世界でなければ、それは劣等感を抱かないという考え方です。極端な話、身長や成績といった評価も「人と比較して身長が低い」「人と比較して成績が悪い」という事実があるとします。果たしてその事実は「劣等性なのか否か」、これを勝手に判断して勝手に劣等感を感じているのは自分自身ということです。
ただ劣等感は決して悪い話ではなく、ストイックさや向上心に繋がれば、あながち悪くない・・・。しかし劣等性を原因として言い訳を始めた段階だとこれは劣等コンプレックスとなり、目的論が前提のアドラー心理学としては否定的な現象となります。
向上心を磨く際も「今の自分」と比較して精進を続けたとしても、たまに「他人からの自慢」が入ってきます。自慢というのは「劣等コンプレックスを抱える自分を受け入れられない」がために、偽りの優越感を満たす最も安直な手段であるとされています。そしてさらに面罵された場合は、その人の隠し持つ目的を探ることが重要です。
結論:劣等感は他人と比較して発生する主観的解釈によるもので、本来比較すべきなのは理想の自分である。
承認欲求
他人から嫌われないように生きる。嫌われたい人間って正直少ないでしょうね。自分も嫌われたくありません。
何より衝撃的なのは著書では承認欲求は「自己中心的」であるということです。他人からの評価を得ることは必ずしも善ではないという話です。むしろ自分の承認欲求に執着していて、周囲が見えなくなってしまうケースを考えると妙に納得できました。
他人が自分を嫌うのは「他人のタスク」であることを肝に銘じます。世の中には自分で変えられることとそうでないことがあります。自分が嫌われている原因が自分にあり、改善できる余地があるのなら、それは自分の課題です。しかしそれでもなお、相手が自分を嫌うのなら、それは他人の課題になります。ここまで来れば、自分(私)は他人の課題(=自力で変えられないこと)に介入しない方が賢明であると言えます。
よくよく考えると、私を好いている人間は一割以下、嫌っている人間も一割以下です。そう大多数が無関心。会社や学校で自分のことをほとんど嫌っているとしても、さらに広い社会で見ればそんなもんですね。(よっぽどの悪事を引き起こさない限り)
最後に著書では嫌われない欲求よりも重要なことがあると説明しています。それは「自分が信じる善を行動に移すこと」です。官僚でも上司の言いなりを国のためにと思って、動いたけど結局それは善なのか?と悩む方が多いらしいです。
結論:承認欲求に捉われるより自分が信じる善を行動に移すことに突き進む。
自分の価値
よく人が周りの人間からけちょん、けちょんに言われて「自分の価値って何・・・」となること。
他人の物差しで判断されたことを自分の価値であると考えるべきではありません。評価するのが他人だとしたら、上記の章で言う、他人の課題によるところが大きいと言えます。アドラー心理学は上下関係に対して否定的です。つまり他者評価とは「上の人間が下の人間を評価する」構図が存在します。重要なのは「横の関係」です。
「横の関係」で自分の価値を感じるケースは他人から感謝された時、他者に貢献した時です。この考え方は「共同体感覚」に密接に繋がってきます。共同体感覚とは「相手に対して与え(GIVER)貰う(GETTER)の関係性を築く」ことです。「相手の立場となって相手に与える(GIVER)」客観性を持つ事により、自分が何をすれば感謝されるのか、客観的に自分の価値を捉える事がより可能になります。
結論:他者からの評価は価値と考えるより、感謝される事により自分の価値を感じる方が良い。
感想
そうかもしれんけど、行動に移すのが難しい。