まちの経営を支えるタウンマネージャー

はじめに

都市経営に携わる上で必要そうな事を探ります。

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ウンマネージャー

ウンマネージャーの仕事とは、一言で言うと、街の変化に対して仕掛ける事だそうです。都市の変化には地元住民による懸命な取り組みが発生していますが、勿論彼らにも生活があって、個人ぞれぞれで利害や私情も発生する事があります。その為これらの活動がかえって、全体としてマイナスの効果を生む場合もあります。タウンマネージャーは俯瞰的・中立的な視点で、都市のサスティナビリティを目的とし、多くの人間を巻き込んで取り組んでいく人間をこう呼ばれています。

必要な事

巻き込む力

ウンマネージャーは決して自分の故郷・在住地のマネジメントに携われるとは限りません。本書でも全く縁も所縁もない地域のタウンマネジメントに対して、地域住民を巻き込んでいく能力は既に身に付いている方が多いです。また彼らの悩みはさらに高次元にある「人間との付き合いには限界がある」点であり、地域住民にも性格・特性が様々であり、些細な事だと感じながらも、彼らに同調してくれる人間と反発する人間が必ず発生するという事が挙げられています。ここで敵を作りすぎてしまうと、実現できる事も実現できなくなります。タウンマネジメントAの教訓としては、当初は表に出すぎず、着実に地域内外のネットワークを構築する事で、黒子になりきる、都市という舞台を裏から回す調整役であるべきという人もいます。まあここは個人の力量や特性次第でもあると思います。タウンマネジメントBの質の高い考えを見せる事で、自分の発言に説得力を持たせるという考えもあります。

コンテンツへの説得力

見せられるコンテンツには説得力を要します。地域住民にとってどんなコンテンツだと乗り気になってもらいやすいのでしょうか。タウンマネジメントCはコンテンツ作成には三つのコツがあると訴えます。一つは地域の既存の何かを生かす考え。既存=今までやってきた事を活用する事で、聞く耳を持ってもらいやすいと言います。二つ目は無理をしないことで継続性を高める。三つ目はストーリー性を描く事で、プロジェクトが将来的にどのように発展していくのかを明確にします。

長期的視点と継続性

プロジェクトが継続しない要因として、長期的な計画が描かれていない事が多いと言います。当初多くの人間が協力してくれますが、それは活動貢献への実感によるものだと言います。目先の目的を達成したところで、目的が一体何の効果が得られるのか、目的の先が無いと、協力者はマンネリを感じて、事業の継続性に困難が生じます。そこで目的を達成したところで実感以上のニーズの提供を共有する必要があるようです。その為、あらかじめ軸や方向性を定めておく必要はあるが、それだと限られた時間内に事業が完結できない可能性もあります。そこでタウンマネジメントDは事業の発掘や調査の段階で、都市の変化や空気感を感じて、その都度、方向性を自分なりの解釈に落とし込む時間を平行で行うようです。

都市経営を数字で

ウンマネジメントとは都市経営学のプロでもあるが、彼らはどのようなデータを重視しているのか。衰退都市と一概に言っても、何を持って衰退なのか、衰退の要因とは何かを探る必要があります。例えばタウンマネジメントEは商業床・購買額・単位面積売上高・空き店舗数を判断して、将来的な商業床過剰供給が深刻化するとしたら、都市全体でダウンサイジングを行い、固定資産税の削減につなげるリノベーション策を打ち出していました。

空き店舗の削減を目的に挙げたとして、ここでは商店街の組織の統廃合のような人間関係が絡む仕事も存在します。そして一タウンマネージャーが都市のダウンサイジング化を提唱したところで、反発する勢力が少なからず存在します。タウンマネジメントEは商店街の組織とも信頼関係を築くことに全力を捧げ、単なる組織の統廃合という目的に留まらず、無駄な経費の削減→次世代の商店街デザインの構築→財源確保→新サービスの提供につながり、商店街の質の向上につながる将来的なロードマップを見せる必要があり、その一段階目として、組織の統廃合が存在する事を理解してもらう必要があります。上記で述べた「長期的視点と継続性」でのストーリー性が提案に説得力を持たせるのです。

結論

  • 人を巻き込む力
  • 提案への説得力を高めるコンテンツ
  • コンテンツには目的の先をロードマップで示す