ググり力とは時として正義、時として悪ではないか【フェルミ推定】

前書き


近年、情報技術の進歩により、電子端末さえ所持していれば、どんな情報を獲得できる時代に突入しています。検索した情報をあたかも知識として活用できれば良いが、知識止まりしている人も多いと感じます。自分もその「コピペ一族」の一人ではないかと考える時があります。最近のブログはどうも知識のコピペ化が深刻で「このままではアカン!!」と危機感を感じたので、本記事を掲載させて頂きます。

今回は「フェルミ推定」を使って思考力を養うこととどんな能力が役に立つのかを書いていきます。
結論から言うと・・・

  • 仮説を立てる能力
  • 俯瞰的に見る能力
  • 物事を場合分けする能力
  • 純化・抽象化

ググり力

「ググり力」とはGoogleで情報検索する能力のことで、どんな情報も検索して自分の知識としてインプットする能力と認識しています。その際に「キーワードの選定」「Webサイトの選定」「読解力」「解釈力」が必要とされています。勿論これらの能力は必要です。特にエンジニアを目指す場合は。ただ普段からこの「ググり力」を駆使して、情報の海を歩いていると、「思考力」が低下している気がしてならないのです。いわゆる「情報中毒」というべきでしょうか。自分は「情報中毒」を改善して、思考力向上を狙います。

「情報中毒」改善→フェルミ推定

インターネットを用いず・前提情報を頼らずに、物事を推定すること(=フェルミ推定)です。フェルミ推定では、「日本の高齢者(65~)の人口は?」という課題が与えられたとします。普段では「ネットで検索すれば良い」のですが、フェルミ推定ではこれを禁止にします。そうすると見えてくるのが、その人がどういう論理で推定までたどり着けるのか。そのアプローチや好奇心からその人の思考力が浮き彫りになるといったものです。私が浮かんだ簡単なアプローチは以下の通りです。

  1. 「世帯別に何人の高齢者」から推定開始
  2. 地域によって比率が異なる
  3. 過疎地域と都市部地域に分ける
  4. 東名阪+地方都市で全人口の7割と仮定
  5. 都市部だと1人/世帯、過疎部だと2人/世帯
  6. 1世帯4人と仮定
  7. 推定値:7千万*(1/4)+3千万*(2/4)=3250万人
  8. 実際値:3460万人

「いい線いってるやん!!」

読んでいる人は前提条件の仮定が多くて、「?」かもしれませんが、この単純さもスピード感を得るためには重要なのかもしれません。これは全くインターネットの情報を使わずに推定した結果です。東名阪都市圏で人口の半分程度という情報と日本の人口が約一億人という情報だけ知っていました。都市部では、世帯数は両親+子供1人+祖父母1名の核家族一家を想定しています。過疎部では50代の夫婦+65代以上の高齢者夫婦を想定しました。子供は都市部に働きにいってるでしょうから。

フェルミ推定で養われる能力

  • 仮説を立てる能力
  • 俯瞰的に見る能力
  • 物事を場合分けする能力
  • 純化・抽象化

仮説を立てる能力

本来はインターンシップや面接でも説明されたのですが、「ゴール」の設定を常に意識するべきだそうです。例えば議論の時に「ゴール」が設定されていない場合、目的を見失うことが多々あります。これにより議論の時間が長引き、有益な時間を得られない場合が多いのです。そのゴールを意識することで、そこから逆算して論理の道筋を立てることができます。

俯瞰的に見る能力

今回は「日本総人口から計算している」点です。日本における高齢者の総人口と言うわけですから、1億人と言う数字をベースに考えたいと思いました。「身の回りの世帯での高齢者比率」と言うミクロ的な単位からのみ計算してしまうと、視野が狭いと揶揄されがちです。

物事を場合分けする能力

今回は「過疎地域と都市部地域に分ける」点にあたります。「身の回りの世帯での高齢者比率」を日本全国の1億人に適用してしまうといけません。同じ高齢者比率の地域がずっと続いているわけはありませんから。過疎部と都市部で高齢者比率に大きく違いがあります。

純化・抽象化

場合分けをどこまで許容するかの問題もあります。過疎部と都市部でも世帯数を4人と設定しましたが、都市部の方が世帯数はさらに少ないと思いますし、名古屋都市圏と東京都市圏でも世帯数・高齢者比率で違いはあると思います。ただ今回はスピード感とシンプルさを意識しました。

振り返り

今回の課題設定はとても単純です。ただ「情報がない中である程度の見積もりができるやつ」に「情報」を与えたら、まさに鬼に金棒ではないかと感じるのです。そういった地頭力を磨いていく必要があるなあー。。。